言の葉の庭の尾張の青年のレビュー・感想・評価

波紋の広がる水面、濡れた地面、雫を湛えた木の葉。冒頭から写実的で美しいアニメーションに惹きつけられた。
大人になりたい少年と大人のふりをした女性。素性も知らず、再会の約束をしたわけでもなく、２人の関係性はあまりに脆い。しかし、だからこそ心を寄せ合えた２人の交流は愛おしい。
清らかかな物語とそこはかとなく香るエロティシズム、劇伴ピアノの音色、46分という尺、全てが絶妙な塩梅で混ぜ合わせられた作品。