このレビューはネタバレを含みます
「27歳のわたしは、15歳のわたしに比べてちっとも賢くなってない」
夢に満ち溢れていた15歳、
高校教員になったものの生徒との関係が上手くいかず自堕落になった27歳
現代のメランコリーを丁寧に描いている今作において、一番心が苦しくなった場面である。
主人公は15歳、彼もまた夢に満ち溢れている。
教員と生徒といういけ好かない関係性であるものの、そこに汚さはない。
新海誠作品の特徴は二元論的思考に基づいて構成されているところにある。
今作では、東京と地方(ここでは四国)・晴れと雨・女教員と男子生徒
この3つが軸となって物語が進行していく。
登場人物の幸せを願い、ふと心の中で手を合わせてしまうような素敵な作品である。