平田一

言の葉の庭の平田一のレビュー・感想・評価

言の葉の庭(2013年製作の映画)
4.3
何度も見たい。晴れた雨天に(勿論普通の雨天でも)!

口数少ない二人の時間と、代弁する映像美。キスより遥かに艶やかだった、足のサイズを測る場面(ある意味セックス場面と思った)。感情が溢れた途端に、勢いを増してく雨。どこをとっても無駄なところが一切見えない名場面は、クライマックス、初めて自ら追い掛けていくユキノで頂点。想いは例えいくつになっても、出さなきゃ相手に届かないのを、月並みですがそれを痛感させられました。そして良かった(初見当初はガス・バン・サントの『GERRY ジェリー』を色々思い出してた)。

再会できたか分かりませんが、二人がいつか再会できれば嬉しいなあって思いましたし、エンドロールは色んな思いや妄想等に馳せました(見た感じじゃ『君の名は。』と同じ世界観ぽいし、やっぱりあの人ユキノさんかもしれないなあって考えました。それに対して新海さんは否定も肯定もしなかった)。

憧れている夢を笑われ、どこか他人を避けてる少年。優しすぎて消耗して、変われないのを悲しむ女性。スゴく傷付きやすいふたりがほんの少しの勇気を得る。そんな優しいラストシーンも素敵な新海作品でした。
平田一

平田一