このレビューはネタバレを含みます
そういえば月頭に見たのを思い出した。
6月に見るのが大正解のアニメ映画。新海誠作品でこれが最高傑作をずっと提唱しているが、間違いないと再び確信した。
そもそもで風景描写の美しさに嘆息が漏れる。都会の中にポツンと浮かんだ自然の中で紡がれていく物語。テーマとして「どっちつかず」の人間を描いているように感じられる。
都会と自然、雨と晴れ、夢と現実。
絆されるままに不倫関係に甘んじ、さらには生徒との関係に苦しむユキノと不透明な未来に不安を抱きながら孤独に少しずつ進んでいるタカオの成長が綺麗にオチをつけてくれる。
通念的に嫌なものであるはずの雨の中で希望を掴み、やがて晴れの日を胸を張って歩けるようになるプロットがど真ん中ストレート、心に刺さる。最後の天気雨はこれから晴れに向かっていくことの予兆。
雨の中で悩みながら、少しずつ晴れの日を主人公は進んでいけるようになる。「靴」を作っているというのは良い意味で捻りがないのが良い。