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言の葉の庭のmatchypotterのレビュー・感想・評価

言の葉の庭(2013年製作の映画)
3.7
新宿御苑。
初めて観たけど、2013年でこれか。ここから『君の名は。』と『天気の子』が生まれるのか。
知らなかったけど、46分という短編。この46分で話が仕上がってる。その次に続く2作品ほど、壮大なファンタジーはないけど、これはこれで完成してる。

新海誠監督のアニメの質感、意外と好きだわ。と、今になってやっと気付く。このアニメでありながら、リアルな描写。特に雨。彼の雨の描写はアニメの次元超えて芸術というか、ただならぬこだわりを感じる。美しい。そして、観てて落ち着く。

そして、何かとこの山手線沿線の新宿まわり。
住んではないけど、ずっとこの辺は自分にとっても見慣れた景色。それが彼の描写にかかるとただの見慣れた風景が何でかファンタジーに感じる。
あの電車の車窓も、新宿西口から御苑にかけての風景も。まるでいつもの自分もそのファンタジーの中にいたのか、と変な気分になる。

普段、新宿の近くにあんな木が生茂る場所があってもあまり気にかけないし、行かないけど、都会の喧騒や、それぞれ抱える悩みからほんの少しだけ抜け出せるような空間。そこで、たまたま出会った人。

「人なんてね、みんなたいていどこか変なんだから。」

ホントそう思うわ。
というか、ちょっと待て、ビールとチョコ、え、ダメなの?普通しないの?え?よくやるんですけど、、、。

雨の日、それは何だか憂鬱で面倒で、傘で片手が塞がり、風が吹けば傘も虚しく服も濡れ始め、体も冷え、前もよく見えず、気分が滅入り、外に出るだけ損した気分になる。
この話はそんな「うざったい雨の日」が、そんなこともないと、雨の日は逆に外に出ていつもと違うことしてみなよ、と言ってくれてる気がする。

いつだったか、子供の頃に雷が近くに落ちた轟音と土砂降りの雨に怖いながらも何かワクワクしてた時の事を思い出した。
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