繊細なドラマと映像美で人気を集めるアニメーション作家・新海誠監督が、現代の東京を舞台に描く恋の物語(5作目)。(2013)
靴職人になりたい15歳の高校生タカオ(声:入野自由)は、雨が降ると学校をさぼって公園(新宿御苑)で靴のスケッチをしていた。
ある日、謎めいた27歳のユキノ(朝からチョコをツマミにビールを飲んでいる、声:花澤香菜)と出会い、雨の日だけの再会を繰り返すうち、どうしようもなく好きになり、ユキノも心を通わせていく。
やがて、どこかで会ったことがあるこの女性が誰か分かる…。
「子どもの頃、空はもっと、ずっと近かった。だから、空の匂いを連れて来てくれる雨は好きだ。雨の朝はよく…」
「私ね、うまく歩けなくなっちゃったの」
「歩く練習をしていたのは、きっと僕も同じだと今は思う。いつか、もっと、もっと、遠くまで歩けるようになったら、会いにいこう」
~万葉集の短歌(柿本人麻呂)~
「雷神(なるかみ)の 少し響(とよ)みて さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ」
~雷が鳴って雨が降ってくれれば、あなたを私の側に留めておくことができるのに~
「雷神(なるかみ)の 少し響(とよ)みて 降らずとも 我は留らむ 妹し留めば」
~雷が少し響いて、雨なんて降らなくても、あなたが望むならここに留まろう~
梅雨の始まる5月に始まり夏が来て、最後は雪の季節である翌年2月で終わる、繊細で純粋なラブ・ストーリー。
人生を進めなくなった恋人に靴をプレゼントしたくなるかな?
東京の街並みの詳細な描写は見事だが、それ以上にシーンの8割を占める美しい雨の映像に引き込まれる。