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最後の日々 生存者が語るホロコーストのnekosukiのレビュー・感想・評価

4.0
戦争を名目にユダヤ人を根絶やしにしようとしたヒットラーの野望が潰えるときが訪れて、死を免れ生き永らえた人々の魂の記録。

直視するのは辛いが世界的な負の遺産として語り継いでいかなければならないと思う。

以前にNHKのドキュメンタリーで“ゾンダーコマンド”の存在は知っていた。生きるために究極の選択を迫られた人々だったが結局は殺されたり使い捨てだった。

肉食の猛獣は空腹時にしか殺生をしないが人間はたとえ満腹でも飽食を繰り返す生き物だ。
同じ人間として、どれだけ残酷なのか?筆舌に尽くしがたいものがある。

流浪の民と呼ばれるユダヤ(イスラエル)人。頭脳明晰で商才にも長けて材をなしている者も多かった。
彼等の私財を没収し収容所に閉じ込めてシャワーと偽って猛毒ガスで大量に殺した。

ひとりの狂人の蛮行で命を脅かされる彼等に同情して、助けたり匿ったりしたドイツ、オランダ、ベルギー、ポーランドの人々も殺された。
悲惨なホロコーストの実態を知るにつけ、平和ボケの日本でノホホンと過ごしている自分はなんて幸せか?と思う。
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