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わたしはロランスのネのネタバレレビュー・内容・結末

わたしはロランス(2012年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

突然自分の恋人から「性別を変えたい」と告白されたら。
人のことを、少なくともわたしは男だから or 女だから好きになるわけではない。と信じたい。しかし性別は、もしくは性別を持たないことは、その人の大きな構成要素だ。要素が変わるのに、『中身と外見どちらを取るのか』と問題が簡略化してしまうことに恐怖を感じた。簡単に2つに切り離せるものではないと思う。

ロランスが言うように、彼女たちが別れたのはロランスが女になったからではない。
確かにフレッドは「愛しているけど、わたしが欲しいのは男」だと言う。だからといって男性器だけを愛したということにはならないだろう。カフェで店員に怒鳴り散らしたあのシーン、あまりにも大きな愛に涙が出た。

目線を向けられるシーンが多用される。それはロランスに向けられた好奇の目線でもあるわけで、上記シーンの後にフレッドにお礼を言っていることからも、目線を向けられることを好ましく思っていないことはわかる。(そもそも他人から必要以上に見られるのは誰だって嫌だが)
そんなロランスがインタビュアーに「わたしは乗り越えてきた」と語り、「わたしを見て」「目線は息と同じくらい必要だ」と言う。強くならざるを得なかったのだと思うが、強い女性は美しい。

アイメイクの色合いがとっても素敵だった。彫りの深い顔立ちのひとが塗るネイビーのシャドウ、本当に羨ましい…
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