うかりシネマ

ウォッチメンのうかりシネマのネタバレレビュー・内容・結末

ウォッチメン(2009年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

アメリカがベトナム戦争で勝利し、ニクソンが3期目に突入、アメリカとソ連が第三次世界大戦の瀬戸際にある世界が舞台。
ヒーロー集団「ウォッチメン」の一人、コメディアンが死亡したことを受け、同じくウォッチメンのロールシャッハは、“ヒーロー狩り”を危惧して独自に調査を開始する。

ロールシャッハの捜査と並行して、ヒーローの歴史とウォッチメンの活動について語られる。
世界観と相まって設定は魅力的。多面的に語られるエピソードにより、登場人物の魅力も掘り下げられる。
エピソードが出揃った段階で物語が動き、それまでの積み重ねの清算にはカタルシスがある。

ヒーロー映画としてはアクションは少ないが、刑務所のシーンやラストバトルなど、アクション自体は格好いい。
黒幕の目的はある種平凡でありながら、その発露が面白い。
どちらに転んでもどうしようもない、救いようのないバッドエンドの本編も、想像されるラストカットのその後もいい。
ヒーローものというよりは、架空史を用いて当時の社会をシミュレートしたSF・架空戦記の色が濃い。