お話は面白かったし、アニメーションも溌剌としていてとても良かったが、全体的に棒読みすぎてイマイチ入り込めなかったのが残念。原作を読んでみたい。
個人的には反乱を招くに至った腐敗や都から逃げられない貧乏人のことではなく、自身の正統性を確信し王朝の存続を当然の如く考える皇帝の思考やば… と思ったりなどした。権力者がみんなそんなふうだから反乱を起こされるのでは。
あと馬小屋のあれは… いや歴史物のロマンス描写としては定番というか、分かるは分かるのだけれど、個人的な感覚的には好きじゃない。枠にはまらないキャラクターを描いてきたのに、結局、銀河を「皇帝の子供、王朝の血を継ぐ男児を産む女」にするんだねと。最後の最後にすることが種を残すことというのも気持ち悪いし(そこまでして王朝を存続させたいのか？)、結局その子供が偉大な王になって天下統一するのか、とか。昔の作品だから仕方ないのだけれど、なまじ「伝統的な男女の役割にとらわれない」みたいな描写が多いが故に、時折顔を見せるステレオタイプが余計に気持ち悪かった。「自分、分かってますから」と訳知り顔で言われたみたいに。
