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エンダーのゲームのmatchypotterのレビュー・感想・評価

エンダーのゲーム(2013年製作の映画)
3.5
地球が宇宙からの侵略者に攻め込まれて甚大な被害を被った。
そこから数十年の時を経て、人類はゲームなどで順応性を向上させた次の世代の子供達にその戦争を託す。

大人達は子供達を軍事的に訓練し、鍛錬させ、大規模な宇宙艦隊の指揮官を育成させる。
そして、一度攻め込んできた侵略者に対し、今度は交戦をしかける。

、、、完膚なきまで叩きのめし、2度と地球に襲来させないように、、、。

思ってたより奥深い話だった。
エンダーという1人の青年、いや、少年が指揮官の才覚を見出し、総指揮として艦隊のトップを目指して様々な仲間達との摩擦や友情を経ていく物語。

ゲーム育ちの子供達がバーチャルの世界で訓練に励んだり、宇宙に飛び出て、コロニー的なところで無重力の実地戦略訓練したり。

とにかくこのエンダーが、ハリソンフォード演じる大佐に素質を買い被られまくる。
「もう、こいつしかいない。こいつは完璧だ。」と。

大佐の“お気に入り”になったこともあり、色んな摩擦やいじめ、いざこざもありながらも、強力な後ろ盾で昇進していく、、、。

これはこれで良いのかよ、というとんとん拍子だけど、彼は彼なりの葛藤があったり、欠如した人間性みたいなところもあったり。

とはいえ、順風満帆でもなく、大佐や身の周りとの出会いややり取りを通して色々学び、成長していく。

ほとんどの戦闘やアクションは訓練。
だから、少し哲学と倫理とか、指揮官に必要だとされる教訓めいた内容が多く、比較的淡々と静かな印象。

だからこそ、最後のクライマックスがなかなか驚き。急に来る。

『スターシップトゥルーパーズ』が世界観広げてバーチャル色を強くして、現場ではなく指揮側を描いた感じ。

しかも、それが大人が育てた子供を前に立たせて、、、。
何かそういう意味では、エヴァっぽい気もしないでもない。

そんな特殊な侵略者との戦争の映画を最後まで観れたのは、、、そう、ヘイリースタインフェルド、彼女がいたから。
まだこの頃の彼女は垢抜けてない。
いつものあどけなさがいつも以上にあどけない。
まだまだ荒削りだけど、魅力が滲み出ている。

そして、エンダーの姉、アビゲイルブレスリン。『リトルミスサンシャイン』のあの子。成長してすごい綺麗になってて驚く。

エンダーが昇進していく横で、どういうわけか顔馴染みの仲間も彼の後に続き、彼の頼れる手足になっていく。

その辺がなぜ?感はあるけど、本題はそこではないし、ヘイリースタインフェルドを少しでもたくさん観れるので良しとする。
この侵略者の造形や、ちょこちょこ出てくる彼らがやる“ゲーム”、この辺もなかなか独特な世界観とルール。

万人ウケするとは思わないけど、これを考えて映像化して、それなりに着地させた作り手は頭が良くないと作れないような作品。
そしえ、ハリソンフォードとベンキングスレーの存在感が全体通して必要不可欠な映画でもある。
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