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危険なプロットのikumatsuのレビュー・感想・評価

危険なプロット(2012年製作の映画)
4.3
小さい頃に考えた。
夢を見ている夢、その夢を見ている夢。
テレビが映っているテレビ、それが映っているテレビ。

どこが1番外側なんだろう?
ここは本物なんだろうか?


1人の少年に入り込まれた、ごく普通の家族。言葉巧みに操られ、それを物語として綴られる。

なんて悪趣味。
でもそれは、蜜の味。

その味を堪能していたのは、少年の担任教師。好奇心を抑えきれず、少年を導き、続きを要求する。…あれ?でも、哀れな家族の物語を遠目で楽しんでいたはずのこの担任も、もしかすると駒の1つに過ぎないかもしれない。少年の箱の中で踊らされていただけかもしれない。

箱が2重になった。

どこが1番外側なんだろう?


遠目で映画を観ながら、ぼんやりと考えている。
そんなわたしで箱3重。

自分の境界線が歪むのがわかる。
フランソワ・オゾン3作目、癖になる。
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