ぽち

野獣死すべしのぽちのレビュー・感想・評価

野獣死すべし(1980年製作の映画)
1.6
監督、主演揃って調子に乗りすぎ大クラッシュ。って作品。

意味の無い演奏シーンの長回しなどの、「間」をとったつもりのテンポの悪い演出。非現実的な描写。自己満足のラストシーン。
「蘇る金狼」などはキチンと演出できているのに、今作は驕りが見えてしまい一人よがりになっている。

いつもならそのオーバーアクトが個性となっている松田だが、一線を越えてしまった「やりすぎ演技」は見ていてイタイ。
役に入り込んでいるのは分かるが、あまりにリアリティの無いキャラ作り。
制作年代を考えればしょうがないのだが、それでも「減量しました」「歯を抜きました」って宣伝している事自体が醒める原因。
松田主演作にはハズレが少ないのだが、今作は大きく外してしまっている。

一番の失敗は主人公キャラを映画用に「陰湿で不気味な人物」とした事だろう。

それにしてもSAAとウッズマンはいいとして、M-16はどうやって日本で入手したの?って突っ込みたくなる。

余談。
まったく意味の無い役で出ていた泉谷しげる。せめてカメオ扱いならまだ救われたのに、オープニングにクレジットまでされてるよ。
浮浪者姿が板についてる泉谷しげる。ギャラは出たのか?

今でも思い出す、確か渋谷にあった「セオリー」とか言うスタジオに行ったら、スタッフさんが大声で
「また泉谷だよ!!アンプ壊してる!」「あ、マイクスタンドも壊れてる!」
って叫んでたのには笑った。

スタジオ内の機材を破壊する常習犯だったそうで、当時の尖がった音楽とライブを微笑ましく思い出してしまう。
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