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美しき仕事のbennoのレビュー・感想・評価

美しき仕事(1999年製作の映画)
4.8
クレール・ドゥニ監督作品初鑑賞…。

フィル友様(ゴリアテさん)より紹介して頂いた監督さんです…ジム・ジャームッシュやヴィム・ヴェンダースの助監督を務めていた経験があり、ふたりともが彼女の映像を高く評価しています…。また、ジャームッシュとの対談(YouTube)では自らが好きな監督に小津や黒澤を言及していました…。


映像の美しさに兎に角驚愕!! もお〰︎好きな作品!! アフリカのジブチというロケーションも手伝って壮大な自然美に息を呑みます…。

主人公であるフランス外国人部隊の軍曹ガルー(ドゥニ・ラヴァン)のモノローグを中心に、映像そのものが耽美な小説のようです…一切の説明は排除されます…。

自己を抑制して行動する軍人の日々のルーティン…軍隊のトレーニング、洗濯、アイロンがけ…ひとつひとつがとても丁寧に繰り返し行われます…。

彼らの限られた領域と自然の解放的な空間の対比も素晴らしいですが…特に半裸で訓練する筋肉の躍動は観続けていくうちに自然に溶け込んで一体化するよう…。

ガルーには尊敬の念を抱いた上官フォレスティエがいますが、ふたりの関係性は匂わせはあってもはっきりとした説明はなされません…。

ある日、ガルーの隊に22歳の若い兵士ソンテンが配属されます…彼は性格も良く、フォレスティエにも気に入られます…しかしそのことがガルーに抑えられない気持ちを抱かせるのです…ソンテンへの愛情にも似た想い…。 

ジブチの現地の人々の美しさ…そしてカラフルな民族衣装…それらと対比されるガルーの心の葛藤が苦しく切ない…。

ガルーにはラヘルという彼女がいるはずなのに…自責の念からなのか…ソンテンに暴力性を向けてしまいます…遂には、反発したソンテンを殴り、荒野に置き去りに…。

男性間の憧憬や嫉妬を女性監督目線で繊細にしなやかに表現しています…そしてまさしく、ドゥニ・ラヴァンありきの作品…。

果たしてソンテンのその後は…?? そのことで除隊になったガルーの運命は…??


  〜〜〜⚠︎以下ネタバレ含みます⚠︎〜〜〜








ガルーの胸のタトゥーには…
« Servez la bonne cause et mourez. »
    大義のために奉仕し、死ね…。
…彼の手には拳銃が…


ラストのカタルシス!!

Corona ♬ The Rhythm of the Nightの曲に乗せて…ドゥニ・ラヴァンの狂気で官能的で物憂げなダンス…
何度も何度も繰り返して観たくなります…必見!!!


✎︎ YouTube (仏語音声、英語字幕)ですෆ*


thanks to; ゴリアテさ〰︎ん࿐ ࿔*:・゚
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