Torichock

MAMAのTorichockのネタバレレビュー・内容・結末

MAMA(2013年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます


"ゼロ・ダーク・サーティ"のジェシカ・チャステイン主演のホラー映画です。

昨年の"パシフィック・リム"を鑑賞する前に、ギレルモ・デル・トロ作品を一気見しました。
"パンズ・ラビリンス"や"永遠のこどもたち""デビルズ・バックボーン"
どれも、おどろおどろしい世界観の中で、悲しみと愛が感じさせる作風でした。
そのデル・トロが製作という予備知識以外は一切情報を入れないで観たので、お話の作りも新鮮に楽しめました。

物語の序盤で、危うく"ミスト"的なシーンがあり、ついつい"おいおいおい、やめろよやめろよやめろよっ..."と言ってしまいました。本家"ミスト"では全然平気だったのに、なんで別の映画で、"ミスト"的なシーンがあるとこんなに嫌なんでしょう?
ミスト恐るべし...

ホラー要素が強い前半戦と中盤戦から、後半に悲しい物語を見せる辺りがデル・トロ製作っぼいなぁと思いました。
ホラー要素は、序盤と中盤がJホラー的な見せ方がやや色濃く出てるなと思いました。シーツを使った霊の見せ方とかカッコ良かったし、暗闇というか、物陰が常にあるような画面つくりで、いついるか・いつ見てるか分からない空気感が良かったと思います。
逆に、終盤はトシオくんばりに出ずっぱりで、見えづらいからこその恐怖感が削がれちゃったかもしれないです。特に、叔母とフュージョンしてガッツリ顔が出ると、思ったより気持ち悪くなかったです。

とは言うものの、ホラーにしてはかなりちゃんとした物語が描かれていたと思います。
何より、子供の二人の演技力に脱帽です、本当に素晴らしかった。
特にお姉ちゃん役の子の、微細な心変わりや二つの母性に揺れる少女の心が、この物語に厚みを加えていたのは言うまでもないと思います。
女性の母性を描いたホラーとしては、話を違うけど"仄暗い水の底から"や"着信アリ"なんかを思い出しました。
鑑賞して"あ〜ぁ、怖かったね!"だけで終わらせない辺りが、Jホラーを感じさせる作りだったのかもしれません。

久しぶりにちゃんとしたホラーを観たなぁっていう、心地良い快感と後味の悪さが後を引く映画でした。
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