jonajona

フリークス(怪物團/神の子ら)のjonajonaのレビュー・感想・評価

5.0
こんなの撮れるなんて超すごい。
小人カップルのハンスとフリーダが主人公だけど、心が汚ねぇパンピーのアンヌとヘラクレス、分け隔てなく優しいお調子者ピエロのフロゾ、シャム双生児の姉妹などなど様々なフリークスが登場し群像劇の形を取ってる。
フリークスという文字を破り捨てて始まるオープニングでもう作品の意図を明確にしてる。

マイノリティって腫れ物に触るみたいに描くのしか無いのはどうなんだろうと思ってたけど、つまりそういう枠組みに囚われずに描くという事は彼らは悪人にだってなれるし浮気だって出来るという訳で。差別ってものの嫌らしさが非常にうまくでてて、同時にそれに中指突き立てるようなラストのテンションの上げ方も正しいと思う。
まじであのクソ女とクソ男は許すまじ。どちらがフリークスか、というね。

しかし、終盤の『彼らを君は止めようとした』という主要キャラへのエクスキューズは結局『彼ら』と感情移入してた主人公らを分離するセリフとして機能してしまってるのでテーマを損ってるから要らなかったはず。そこだけ不満。
素晴らしい映画なのは間違いない。

【今日の名言】
人は彼らを嘲笑い震え上がる。
だがこれは我々にも起こり得たことです。
彼らは誰ひとりそう望んで
生まれてきた訳ではないのです。
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