イスケ

女っ気なしのイスケのネタバレレビュー・内容・結末

女っ気なし(2011年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

ジュリエットの最後の行動は、シルヴァンの優しさや純粋さに触れたことが理由の一つではあったかもしれないが、母に対する怒りが中心にあったのだろうと思う。

三者三様の孤独を抱えている中で、真正面からそこに向き合うのではなく、全員がずれてる。

シルヴァンも殴った悪友への怒りは本質ではなくて、本当は「何も動けない自分」への鬱憤が悪友へと転化しただけだもんね。
彼が向き合うべきは、行動できない自分であり、仲良しおばあちゃんの言葉であり、イチゴの食べ方だ。

……なんて言ってみても、こういう現実逃避と旅は、ギヨーム・ブラックの魔法によって素敵にマッチングする。一日だけシルヴァンを体験したいとすら思っちゃうw

ジュリエットほどの美貌を持ちながら、シルヴァンという不釣り合いな男に本気で恋をするなんて妄想にすぎない。
ひと夏のヴァカンス、それも最終日という「明日のない日」だからこそできることだったはず。

そんな日に彼女は、愛してるけどやっぱり変わらぬ母にちょっとだけ反抗をして見せたんだろうなぁ。
イスケ

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