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ゼロ・グラビティのtoriten45のレビュー・感想・評価

ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)
4.1
ワンシチュエーション&サバイバルもの
ですよね。閉ざされた空間であがくのではなく、広大な宇宙空間に放り出されるパターン。絶望的な状況から切り抜けられるのか、先読みできない展開が繰り広げられる90分。宇宙空間の怖さが疑似体験できて、メリハリも効いていて、ハラハラもさせてくれ、後味もスッキリ。日々の疲れで雑念を取っ払いたい時にリフレッシュできる映画の一つなのです。私には。

宇宙で音は聞こえないものですが、本作が面白いのはこれに真っ向勝負してるところ。映画で大惨事を表現するのに致命的なこの制約をどうやってクリアして観る人にハラハラさせるのか?このリアリティも作品の見どころのひとつでした。

地球を周回する宇宙望遠鏡。この修理のために船外活動を行うジョージ・クルーニーとサンドラ・ブロックらが演じるクルー2人が直面する大惨事を描いたパニック&サバイバル映画です。

この手のジャンルって絶望的があればあるほど面白いのですが、本作もまぁー……絶望マシマシになってます。

トラブルの原因となる宇宙ゴミ(デブリ)。これは現実世界でも解決の糸口が見つからない社会問題としてたびたび話題にあがるヤツですよね。将来もっと深刻化すると言われている身近な問題をうまく取り込んでいるところが作品に説得力を与えてくれます。

宇宙空間に放り出される2人。限られた選択肢。次から次へと迫りくる難題に挑んでいきますが、特にベテランクルーを演じるジョージ・クルーニーが、まーかっこいい。緊迫した状況でジョークをを交えながら相方を落ち着かせ、的確な指示を出す……&ハンサム。完璧じゃないですか。

ワンシチュエーションのサバイバルものは限られた空間や状況の中で展開するのでストーリーに入り込めやすいし、キャラクターの心理やシチュエーションとの因果関係がより深く掘り下げられるので共感しやすい。加えて思いもよらなかった発想やアイテムが解決への糸口になったりして楽しいですね。その唯一の糸口がダメだった時の絶望感たるや……引っくるめて好物です。

このジャンル(ワンシチュエーションのサバイバルもの)で観たものを並べてみました。好きな作品には★。

★『オデッセイ』('15🇺🇸)
  火星に一人取り残される。

★『ゼロ・グラビティ』('13🇺🇸)
  宇宙空間に放出される。

★『127時間』('10🇺🇸)
  砂漠で岩に挟まれる。

★『ザ・ウォール』('17🇺🇸)
 砂漠でスナイパーに狙われる。

『ALONE/アローン』('16🇮🇹)
 地雷を踏む。

『リミット』('10🇪🇸)
 地中の棺桶に閉じ込められる。

『FALL/フォール』('22🇺🇸)
 鉄塔から降りれなくなる。

『#マンホール』('23🇯🇵)
 マンホールの底から出れなくなる。

『フローズン』('10🇺🇸)
 スキーリフトが途中で止まる。

『ソウ』('04🇺🇸)
 広いトイレに閉じ込められる。

『ホーリー・トイレット』('21🇩🇪)
 狭いトイレに“釘付け”になる。

『トランク 〜走る密室〜』('24🇩🇪)
 車のトランクに閉じ込められる。

『4x4 殺人四駆』('18🇦🇷)
 車の中に閉じ込められる。

未視聴で良質な絶望感をいただけそうな作品↓

『エレベーター』('11) エレベーターの室内?
『フォーン・ブース』('02) 電話ボックス?
『オキシジェン』('21) 極低温ポッドの中?
『ロスト•バケーション』('16) 海の岩場?
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