この世界観がすごいですね。人間が存在したことのない動物だけの文明社会。肉食動物と草食動物が共存する大都会「ズートピア」。ツンドラ・タウンやサバンナ・セントラルなど、多様な環境が入り混じり、動物たちの体格や習性に合わせた街づくりがされているのも面白いところでした。
主人公は、ウサギの新米警察官ジュディ・ホップスと、キツネの詐欺師ニック・ワイルド。連続失踪事件を追ううちに、まるで正反対な2人の距離が少しずつ縮まっていくのがいいですね。
テンポよく進んでいくので、気軽に楽しめるのも魅力的でした。特に笑えたのがナマケモノのフラッシュが登場する場面。その“スローすぎる”動作がツボにはまりました。子ども向けアニメらしい楽しさがある一方で、偏見や差別といった社会問題が背景にしっかり組み込まれているのもポイント。
そんな完成度の高さが評価されたのか、アカデミー賞で長編アニメ映画賞を受賞。ディズニーらしい美しいアニメーションはもちろん、エンタメとしての面白さと社会的メッセージのバランスが絶妙でした。
