爆裂BOX

スノーホワイト・デッドの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

スノーホワイト・デッド(2010年製作の映画)
4.0
ゾンビの蔓延る世界。エドとマットは人を殺してはその肉をサムとメアリー夫妻に届けていた。夫婦はゾンビになった息子にその肉を与え…というストーリー。
JVDのDEEP REDレーベルが送るゾンビホラーです。DEEP REDはロクでもないホラーばっかりリリースするので期待せず見ましたが中々掘り出し物の作品でした。
タイトルだけ見ると白雪姫がゾンビになるかゾンビと戦うような作品に思えますが実際はゾンビによって文明が崩壊した世界で暮らす人々を描いた作品でした。
人を殺してその肉を夫婦に送り届けて報酬をもらって生きる主人公二人やその肉をゾンビになった息子に与える夫婦、主人公達に恋人を殺された女性の物語がオムニバス仕立てでそれぞれリンクしながら描かれます。彼らの物語が微妙に繋がっていく所は「おおっ!」と思わせられて中々凝った構成だと思います。
また、前述の夫婦やゾンビを監禁してその前で不倫相手と愛し合うマット等この世界そのものが狂っているという感じを低予算で上手く描いていると思います。エドがゾンビに噛まれた相手を殺そうとして「死も殺しもうんざりだ!」と叫ぶシーンは彼が殺人鬼ではなく生きる為の報酬を得る為に仕方なく殺人を犯していたんだという事が伝わりそうしなければ生きられない狂った世界だという事がよく伝わってきました。
ゾンビはダッシュゾンビですが、ゾンビと戦うシーンは殆どないです。まあ、人間ドラマ重視の為だからだと思いますが。
お食事シーンやグロシーンは後半、軍の補給品を食べている主人公達がゾンビの集団に襲われるシーンぐらいですかね。
絶望的だけど、でも諦めない!という感じのラストはイイですね。
全体的に低予算でゾンビの襲撃シーンや戦闘シーンもショボイですし、人間ドラマ重視の為地味な作品ですが、DEEP REDレーベルの中では掘り出し物と言っていい作品だと思います。