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タイニー・ファニチャーの小本のレビュー・感想・評価

タイニー・ファニチャー(2010年製作の映画)
3.5
緩い映像と芝居が続き、話的にもモラトリアムあるあるで退屈する…と思いきや後半、主人公の妹のパーティーあたりからすごく面白くなった。姉妹や旧友同士のあけすけなやりとりが続くからだろうか。落ちていく女の子、というキャラクターがはっきり立ったせいだろうか。なんでかわからないけど映像すら鈍く光りだして見えた。ひとつわかるのは、今ってアメリカでも日本でもどんどん人の気持ちがわからない人が増えてるっぽいこと。それがデフォルトだから、人と人の間はそれが家族であっても浅い、上辺の付き合いになりがち。クールともいえるけど、でも人と気持ちが通じ合った時の幸福は変わらない。奇跡的過ぎて、その一瞬が切なすぎるくらいで、孤独に転じて余韻はエモくなるばかり。
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