Osamu

ハンナ・アーレントのOsamuのレビュー・感想・評価

ハンナ・アーレント(2012年製作の映画)
3.8
哲学者ハンナ・アーレントの人間の悪に関する深い考察を聴く映画。

アーレントは第二次世界大戦中にアメリカに亡命したドイツ系ユダヤ人。イスラエルで行われたアイヒマン裁判を傍聴し、『イエルサレムのアイヒマン-悪の陳腐さについての報告』を雑誌に発表、大論争を巻き起こします。

これまで、ユダヤ人に対するジェノサイドの話を聴くたびに、どうしてそれ程まで残忍なことができるのだろうと深い闇の中で迷子になった気分になっていましたが、彼女の考察に大きくうなづきました。そういうことなのかもしれない、と。

『アイヒマン・ショー』を鑑賞予定の方は、この作品を先にご覧になるとより楽しめると思います。僕は『アイヒマン・ショー』を先に観てしまいましたが、その時物足りなく感じたポイントが、この映画を観ることによって立体的になり、影になって見えていなかった部分が現れる感覚を味わいました。
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