Mrsフロイ

湿地のMrsフロイのネタバレレビュー・内容・結末

湿地(2006年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

北欧ミステリーを期待してのアイスランド映画。
スペイン映画「湿地帯」デンマーク映画「特捜部Q」の刑事コンビの絶妙なバランスが観られるかとの思いを裏切って、遺伝子研究の盛衰を背景にしたこの国ならではの極上ミステリー!

くたびれた中年刑事のユーモアが魅力的で陰鬱な画面を引っ張る。
劇中の翻訳字幕に、「瓶の街に行け」と「俺たちは偏差と呼ばれるんだー!」の2箇所が私には理解出来ず??
原作小説の批評を探してみる。
小説の題名は、英訳された時点で《Tainted Blood汚染された血液》と《Jar City瓶の街》の二種あるとのこと。Jar Cityは、標本の入ったガラス瓶が沢山ある街を意味する言葉のようだ。
ここで漸く分からなかつた2箇所の字幕が、おぼろげながら推測出来る。

アイスランドはその特異な人口構成で、遺伝子研究の先進国である事を初めて知る事になった。その研究手法として遺伝的に"外れ値"(偏差)を見つけるやり方を取っている。

そうした背景は、日本では知られることは少ないのではないかと思う。これらを知ったうえで映画を観ると、ミステリーとしてはネタバレになってしまうが、それ以上の衝撃があるのではないだろうか…

監督の米国での作品「ハードラッシュ」や「2ガンズ」とは全く異なる個性的な趣き。

アイスランドと言えば赤魚の粕漬けぐらいしか知らないお婆ちゃんは、映画は学校だなァと思い至る鑑賞後となりましたとさ(^。^)
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