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湿地のStroszekのネタバレレビュー・内容・結末

湿地(2006年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

原題"Mýrin"(そのまま『湿地』。英題は"Jar City"『瓶詰都市』)。原作はアーナルデュル・インドリダスンによる同名小説(2000年初版)。

アイスランドが舞台。

遺伝病とレイプ被害が複雑に絡み合う推理ドラマ。

主人公の中年男性刑事がテイクアウトした羊の頭を食べるシーンに衝撃を受ける(こういう食文化の違いが経験できるのも外国映画を観る面白さである)。

娘よりも捜査を優先してるように見えたり、妊娠した娘の前でタバコを吸ったり吸う娘を注意しなかったりと問題のある父親という彼の造形がブルータル。

出てくる風景がモダニズム建築の直線的でインダストリアルなマンションだったり長くまっすぐ伸びる道路だったり。硬質な人工物と常にジメジメした曇りの天候や湿地が対比されているように感じた。

そんなジメジメした中に住み右往左往する人間たちと、瓶詰めにされ保存液の中に浮かぶ少女の脳は類似している。

死体の異臭に警察官たちが大きく反応する描写が何度かあり、殺人捜査の生々しさが伝わってくる。
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