ヒロオさん

42〜世界を変えた男〜のヒロオさんのレビュー・感想・評価

42〜世界を変えた男〜(2013年製作の映画)
3.7
黒人で初めてメジャーリーガーとなったジャッキー・ロビンソンの伝記映画。

激しい黒人差別を受けながらもバッターボックスに立ち続け、アメリカに新たな歴史を作り、黒人に希望を与えた選手。

本作で特に私が良いと思ったのは、ジャッキーが公の場で見せた芯の強さ、勇敢さ、誇り高さだけではなく、その裏側にある激しい怒り、悲しみ、葛藤などがありありと伝わってきたところだった。

主演のチャドウィック・ボーズマンの魂のこもった演技と、豊かな表現力あってこそだった。

いつも強いスーパーヒーローだったわけではなく、さまざまな感情を抱えていたことが分かるからこそ、ジャッキーの人間性がリアリティを帯び、質の高いヒューマンドラマとなっていた。

負の感情をエネルギーへ変えていく姿からは勇気をもらえた。
功績そのものも偉大なのだが、功績を遺すまでの心意気も偉大だと感じた。

ジャッキーを支えた妻、GMのリッキーの存在もアツい。

本作で描かれていた黒人差別の数々はあまりに理不尽で屈辱的なものが多く、観ている側も悲しみや怒りを感じる。
ジム・クロウ法が廃止されたのが1964年なので、改めてこれが戦後の話なんだよな…とつくづく思う。

フィラデルフィアってギリシア語なんだ。
ヒロオさん

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