1945年、ブルックリン・ドジャースの会長ブランチ・リッキー(ハリソン・フォード)は、黒人選手ジャッキー・ロビンソン(チャドウィック・ボーズマン)をドジャースの傘下であるモントリオール・ロイヤルズに迎え入れる。
やがて家庭を持ちメジャーデビューしたロビンソンだったが、白人選手たちの中でたった一人の黒人である彼をいっそう激しい人種差別の壁が待っていた…。
問題を起こすことで評判だったロビンソンと対面したリッキー会長は、活躍の場を与える代わりに一言だけ尋ねる。
“ どんな酷いことを言われても、怒らないことができるか?
ーー俺に、やり返す勇気のない選手になれと?
いや違う。
やり返さない勇気を持つ選手になるのだ。 ”
会長とのこのやり取りに同意してジャッキー・ロビンソンは、白人しかいないプロ野球界に身を投じることになった。
ブーイングとエールが半分半分だった。スタンドの一塁側と三塁側の座席は通常、応援するチームによって分かれるのが常だが、この時は、ホワイトとブラックに分かれていたという。異様な光景だったろう。
そんなデビューから2年もしないうちに、彼はブルックリン・ドジャースのユニフォームを着ることになる。するとさらに罵倒の量は増加した。
嫌がらせを受け、悪口を吐き捨てられた上で、彼は結果を出さなければならなかった。実力があるところを見せつけなければ、窮屈な思いをしてまでここに存在する意味がないからだ。
なぜ彼だけが屈辱に耐え、根性を擦り減らしながら、野球をしなければならないのか。世界は不公平の何者でもない。
だけどその一方で、彼にしか得ることのできない素晴らしい経験もあっただろう。他の人種には到底想像もつかない景色を見ただろうし、誰も知ることのない人の温かさに触れたことだろうと思う。
世界を変えた永久欠番「42」
黒人初のメジャーリーガー
ジャッキー・ロビンソンの物語。