【ゲームは男を強くする】
エドガー・ライト監督×マイケル・セラ主演2010年制作のゲーム風コメディー作品
〈あらすじ〉
ロックバンドのセックス・ボブオムのベーシストであるスコット・ピルグリム。恋人がいながらも、彼はミステリアスな女性ラモーナに一目惚れしてしまう。すっかり彼女に夢中のスコット・ピルグリムだったが、突然現れた謎の男と戦うことになる。彼がラモーナのハートを射止めるためには、次々と現われる7人の元恋人たちを全員倒さなければならなかった…。
〈所感〉
素晴らしい。ノリがアホすぎて文句なしの面白さ。日本男児の急所を完璧に捉えてきた。エドガー・ライト監督は比較的最近の3作品しか見てなかったが、これが一番私のツボだった。一瞬も目が離せなくなるテンポの良さ。一目散に次の敵が現れるわかりやすさ。チャイニーズ、ゲイ、ヴィーガン等を結構イジってるシーンもあったりでコンプラ的に時代錯誤かもしれないが、映画的に面白いので良しだと思う。戦闘シーンでの今見ると前の世代のゲーム演出がこれまた味があって、視覚効果として楽しすぎる。ゼルダの音楽懐かしい。最近個人的にドラクエにハマっているのもあって、敵を倒してレベルアップしてゴールドを稼いで、新たな武器や技を手に入れて、また次の強大な敵を倒すというRPG的過程が最高に共感できる。男は「四天王」とか「七武海」とか強敵達の呼称大好きだよね。邪悪な元カレ軍団も名前のインパクトが凄い。最初はちょっと冴えないスコット・ピルグリムだったが、ラモーナの元カレ軍団を倒すにつれ、本当の意味で彼女を手に入れるという自覚と勇気が湧いてくるのが良い。確かに世の男は皆、こんな拳を交えて実際に戦うことは流石にないだろうが、元カレという見えない過去の亡霊達と戦っているのかもしれない。ヒロインのメアリー・エリザベス・ウィンステッド演じるラモーナがその一週間半ごとに変わる髪色以上にミステリアスな存在感と美しすぎるルックスが堪らんかった。メアリー・エリザベス・ウィンステッドって『デス・プルーフ』のリーちゃんだったのね。あれ見た時もこの子誰よりも可愛いと思ったが、また同じ体験ができるとは。ラストのナイブスとの共闘が熱くて、ラモーナと再びドアへ入りContinue?と表示される幕引きもゲームらしくて最高だった。何度も続けるを押して見たくなるゲームのように中毒性の高い作品。