LC

ゴースト・エージェント/R.I.P.D.のLCのレビュー・感想・評価

3.7
面白かった。

「 R.I.P.D (Rest In Peace Department)」という題名からして面白い。平和の中の休息部門。
でも、その部署に割り当てられた者たちは、なんだか休息とは無縁そうに見える。きっと、休まず現世にしがみつき続ける者を、平和の中の休息に送り込んでやる部署、なのかな。安らかに眠れ部門。成仏しやがれ、だね。
わしは平和の中で思う存分休む部門に行きたい。わしが休息する。弾撃ち込まれない形で。
一応おまわりさんのお話なので、ドンパチもガツーンもあるけれど、耐性ない人も見られる塩梅だと思う。幽霊的な方面でも同様かな。

冒頭の空に落ちていく感覚が楽しい。
わしもきっと、おや?お?お?と思いながら、成す術なく上へ上へと吸い込まれるのかもしれない。何となく、不安は感じなさそうな気がする。ただひたすら、おやおや?と思ってるんじゃないかな。
ただ何となく、寒そうだなと想像する。上空って寒いらしいじゃん。死者が出る時周りの温度下がる的な説も聞くし。寒くないわけなさそう。

その他、他者に認識される外見や声の設定も面白かった。空いてるものの中から好きなの選べるのかな。普通は選べないのかな。
わしなら、平凡なのを選びたい気持ち。相棒のガンマンみたいのは、目立ち過ぎる。死者とは思えぬ存在感である。どこかの職員としてあんな感じの人来たら、多少違和感あるやん。だけれど、有無を言わせずグイグイ向かってくる迫力も抜群。その見目でご飯バクバク食べてたんだよな… 撒き散らしながら食べ物の名前を告げて… 面白過ぎる。
そして、取り締まる対象は生前の特徴を見目的に濃く持つというのも楽しかった。「この特徴は生前どんな感じだったのかなー」と想像する楽しさ。頭が割れてるのって、考えることが好きだったとかなのかな。どうなんだろ。

そして、死者たちが弾で再度死ぬことを避ける緊迫感みたいなものも興味深かった。当たったら自分たちも…
みんな死者なんだけれど、なんだかんだ生者にも見えていたりして、割と中途半端な存在だったりするのかもしれない。死にきれていない者たちの攻防でもあったのかな。
そう考えると、なんだか作中でてんやわんやする者みんな、紙一重の存在に思えてくる。自分の魂が腐ってしまわない保証はもちろん、ないんだろうし。
長年追いかける側でいるらしいガンマンさんは、初心を忘れず自分を保つという面でも玄人なのかもしれない。お茶目でかわいい印象が強いけど、死に切ってない状態で腐らずに銃を構え続けられる人なんだね。
主人公もたぶん、彼と同じように過ごしていけるのではないかと思える。悲しませたくない気持ちをしっかり刻みつけただろうから。肌に焼き付けられた印のように。じゅっと。

インド料理、美味しくて好きなんだけれど、わしも死後は「 NO 」派になるのかなあ。生きているうちにたくさん楽しもう。インド料理に限らずだけれど。
LC

LC