OASIS

アメイジング・スパイダーマン2のOASISのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

スパイダーマンシリーズリブート版第二弾。
監督は前作に引き続きマーク・ウェブ。

3D字幕版を鑑賞。
今回は前作で死なせてしまった恋人グウェンの父親の幻影に囚われるピーターにかかる「責任」についての物語。
新たなる敵として電気人間エレクトロと親友であるハリーが変身したグリーンゴブリンが立ちはだかる。

サム・ライミ版とどうしても比較される宿命であるのは可哀想だが、彼が監督した「スパイダーマン2」がシリーズ最高傑作だと思うのでやはり比べると劣る。
前作から継承された軽いノリはそのままで、恋人グウェンとの甘々なラブストーリーが繰り広げられる前半は正直見るに耐えなかった。
同時にエレクトロの誕生や親友ハリーとの再会、父親の過去を巡る話が描かれるが、そのロマンス部分がちょくちょく挿入されてぶつ切りにされた印象。
ヒーローとしての成長要素には大切な人を守る事は欠かせないと思うが、2時間半もある映画の中でその部分の割合が多過ぎてその他の悩みがどれも薄くなってしまっていて、とても内容が濃いとは思えませんでした。

その反面アクションにおけるCGは10年以上前とは比べものにならない程進化していて迫力があったと思います。
スパイダーマン以外の背景にも奥行が感じられるし、飛び出してくる電撃や水、破片等は立体効果が有効的に使用されているので3Dでの鑑賞が最適でした。
しかしこのアクションも、派手なのは派手なんですが、「スパイダーマン2」で暴走する列車から自分の身体を犠牲にしてまで市民を守ったあの胸を熱くするような場面が無く、印象に残っているシーンがほとんど無かったのが残念でした。
電撃から逃げる市民達をスローモーションで助け出す場面は良かったです。

ヴィランの数は3体(実質2体)と大幅に増えていますが、「スパイダーマン3」の悪夢が再来したかのように、やはり個々のキャラクターの魅力が散漫になっている気がしました。
エレクトロを倒して次はグリーンゴブリン、その次はライノというようにステージクリア型のアクションゲームを観ているようで、共闘してスパイダーマンに襲いかかってくるような絶望感が全く無かったと思います。
グリーンゴブリンに関しては、直接父親を殺された訳でも無いので完全なる逆恨みにしか見えませんでした。
並行して描く技量が無いなら無理に増やさずエレクトロのみに注力して欲しかったです。
そのエレクトロも、元はと言えばスパイダーマンがその「軽さ」から言い放った無責任な一言が彼をそうさせてしまったというのに、死に際でさえ一言もかけてあげないというのはいくらなんでも扱いが酷過ぎるのでは。
ライノに至っては完全なる次作への繋ぎで、ポール・ジアマッティという名優を起用しながらなんと言う事だと呆れ返ってしまいました。
悪役の魅力あってこそのヒーロー映画だと思うので、ヴィランの存在を大切にしないマーベル映画はやはり好きになれません。

そんな中でデイン・デハーン演じるハリーのキャラクターは唯一好きになれるところで、彼の粘着質な微笑みや子犬を見るかのような目つきはたまらなく愛しく見えました。
彼のデ陰な部分が最高に出ハーンしているハマり役だと思うので、そういう意味では3作目、4作目が楽しみです。
グウェンが居なくなってしまい、エマ・ストーンファンとしては残念な結果となってしまいましたが・・・。
彼女の死がそれまで只管チャラかったピーターを最大限に成長させてくれる事を望みます。
でもエマを超えるヒロインとなるとかなりハードルが高いような。

一つの作品としては完結していない分なんとも言えない感じで、前半は痛快だったアトラクション感覚もなんだか暗い雰囲気で終わってしまったので感想的には前作と同様「微妙」だと思いました。
あと、エンドロール後のおまけに全然関係無い映画の宣伝をぶち込むのはどうかと思いました。
スパイダーマンがX-MENに出るのかと思われちゃうよ・・・。
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