3時間半は流石に長いかと思ってなかなか踏み出せなかったけど、見入ってしまった。
セリフもほぼなければ派手な展開もほぼない、なのに時間を持て余すことない作品だった。
日常の単調なルーティンをこなしている女性の3日間がこの舞台。凛とした美しさで日々同じルーティンをこなす主人公だけど、2日目3日目と一つ一つの行動や表情や仕草が僅かに変化していく。
孤独を忙しさで埋めながらその歪みがラストシーンで現れるのがなんともリアルだった。
こういった人間の僅かな変化を緻密に描くには3時間半という時間が確実に必要だったんだろうと思う。
にしても令和の倍速視聴とかサブスク視聴感覚からすると真反対に位置する作品だと思う。
それでもこの作品は心打たれる人は多いんじゃないかな(忍耐力問題は別として)
たぶんこの映画には人間が本能的に見入ってしまう、飲み込まれてしまうエッセンスが散りばめられている気がする。