クリストフヴァルツ

降霊 KOUREIのクリストフヴァルツのネタバレレビュー・内容・結末

降霊 KOUREI(1999年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

おとぼけ役所広司、いいですね。

よくよく考えたら、ほとんどの災難は役所公司演じる夫のせいでもたらされていて、そこに妻のささいな名声欲が加わって最悪な結果を招いてしまうという、ホラー映画にはなかなかないいやにリアルな人間ドラマを描いた脚本も素晴らしかったです。

致命的なミスを重ねる夫が、妻にきっちり「あなたはどうしていつもそうなのよ。どうしていつも肝心な時にだけ私の足を引っ張るの」と詰められて何も言えなくなっているところは、なんか胸が震えました。

はっきり出てくる幽霊は2人だけ(多分…)。でも整った構図と点滅する照明の演出のおかげで、いつもどこかになにかいる気がする薄気味悪さがありました。幽霊も2人とも鮮やかな色の、シルエットが綺麗なワンピースを着ているのがえらく印象に残っていて思い出し怖いです。

ていうか緑の女の子ももう生きている時からおばけっぽいというか、途中からえ、あんた生きてたの?!みたいなところもあったし、そこからもっと怖いおばけになっただけというか、おばけになったのに特に大した悪さをしないのも怖かったなあ。もう一方のファミレスおばけも、これが本当のおばけに一番近いと言われている時点で怖すぎます。

普段物静かでおしとやかで、おならなんて絶対にしない人が、わざわざみんなの注目を集めておならぶっこいちゃった映画としか思えなくなってきた後半パートから大好きになりました。

あー怖かった!