ちろる

ビザンチウムのちろるのレビュー・感想・評価

ビザンチウム(2012年製作の映画)
3.5
ニール・ジョーダン監督によるヴァンパイア映画といえば「インタビューウィズヴァンパイア」
中学時代、わたしあの作品を妙に気に入って何回も繰り返し観て、もちろんアン・ライスの原作も破れるほど読んだりして、「ヴァンパイア」にハマってしまったちょっと恥ずかしい想い出があるから、あれを似せ美少女版にしたとしても、そんなときめくはずもない。
キツイ言い方をすれば、これは「インタビューウィズヴァンパイア」の廉価版みたいな作品だったので、ある意味気軽に観ることができました。

ただね、シアーシャ・ローナンの儚げな魅力が、孤独なヴァンパイア少女エレノアという役柄に妙にハマって、画面はどれも美しいので映像としては見所はいくつかありました。

悪いとは思いつつ当てはめてみると「インタビュー〜」のルイ(ブラピ)がこのエレノアに一致する役どころなのかと思われる。
しかし、エレノアがフランクの血の布を吸うシーンは、ネズミの血を吸うルイがクローディアの生き血を吸うシーンのあの衝撃には少し足りず、保護者であるクララとエレノアのキャラクターや関係性がぼんやりとしていたので、よく分からないまま終わりが訪れてしまった感じ・・・
もっと言うならヴァンパイア映画にとって大切な、エロティクさが無く、フランクとエレノアの心が通い合う説得力もなかなかわからないのがこの作品がぼんやりした印象になった原因なのかもしれません。
そんな感じで作品としてはまあまあでしたが、シアーシャの美しさを堪能するには充分。
赤いパーカーをかぶった彼女は孤独な赤ずきんちゃんのようで、現代の世界に馴染めないそんな存在感がこの作品のエレノア役にはぴったりでした。
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