このレビューはネタバレを含みます
ひとりの料理人が2つの正反対の職場を去るまでの物語で、はっきりとした伝えたい事とかものすごい衝撃が感じられる映画では無かったけれど、素敵なシーンがいくつもあった。オルタンスにプロフェッショナルを感じて芯がある、信念があることは素晴らしいなぁと思った。大統領邸の時みたいに衝突は生むかもしれないけど、南極基地の時みたいな思い出やラストシーンのその先は、誇りを持って働く人だからこその人生のご褒美だよなぁと思った。
『私が男だったらあんたをぶっ飛ばしてやるところだわ。私のことが嫌いなら、私だって嫌いよ!』このシーン、ニコラにすごく自分に通ずるものを感じて心が痛かった〜
『最近風当たりが強いみたいだね。私もだよ。逆境かな。個人的には、逆境にいるおかげで立っていられる。香辛料だよ、お分かりかな?』大統領は自分とオルタンスの苦しみを比べることなく話したけど、これが出来る人って少ないよなぁと思った。励まそうとする訳でもなく、励ましてもらおうとする訳でもなく…。人の辛さは比べられないからこうありたいと思った。
個人的にはニコラが好きだから、彼のその後が彼の才能と2年間で得たものを生かせるもので、幸せであって欲しいと思った。