楢崎

ブレット・トレインの楢崎のネタバレレビュー・内容・結末

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

多少ごちゃっとした映画が楽しめる方には是非勧めたいです。あと原作未読で観た人の感想が聞きたいです。
原作が大好きだったので、ずっと楽しみにしていました。原作読み返してから観るかで迷っていましたが、結局、多少忘れていた方が楽しめるかな、と思って読まずに見ました。それでもどうしても原作と比較してしまう点が多かったです。この後も散々原作では〜とグチグチ言ってますが、全体的に映像の派手さと、原作ストーリーの複数人が絡み合う面白さ・魅力的な人物(数名はガラッと変わっていますが)が分かりやすく楽しめるものだったと思います。これはこれで面白い!的な感じで、原作先に読んじゃった系映画ではかなりハチャメチャになっているはずなのに楽しめた方でした。変更点はストーリーを分かりやすくするため、映画ならではの派手なアクションシーンに繋げるためのものだなぁという印象でした。個人的には、映画にはない小説の大好きなシーンが幾つかあるので、小説と映画どっちを先にみるべき?と聞かれると迷ってしまいます。
そんなこんなで「原作ではどうだったっけ?」と考えながらストーリーの表面とアクションを楽しんでいたので、この映画のキーワードっぽい「運命」という言葉の解釈が追い付きませんでした。原作読み返して記憶の答え合わせしたあとで、落ち着いてもう1回観たいです。バー周りとか列車の上、列車ぶっ壊すあたりの派手なアクション、観ててこれが映画の派手さだ!良さだ!となって楽しかったです。バックグラウンドの違いのせいか、王子に対して感じる印象が、原作(純粋な悪意の塊)と映画(育ちが原因の捻くれとそこそこの異常性)とでかなり違いました。個人的にはその純粋さから出る問いが好きだったのですが、今作で白い死神との関係性がだいぶ変わっていたのは登場人物に一貫性を持たせるためなのでしょうか。でも王子の演技を映像で見られて満足です。ホーネットはてっきり2人組で出てくる&予告に出てくる女性だと思っていたので、着ぐるみがカバン奪おうとした時驚きました。終盤の着ぐるみがクッションになる繋がり方、綺麗でした。ホーネットなんというか蜂よりも蛇の印象が強く感じてしまいました。峰岸→白い死神の変更から察してはいましたが、車掌が殺し屋でした!の意外性&知らないうちに終わってる!という良い意味での呆気なさへの期待を捨てきれなかったです。あと狼がカッコイイ。無駄にカッコイイ。あの電車に乗り込んだ人、白い死神含め復讐が目的の人多すぎませんか。原作の要素消えたところ、全部復讐になってる気がします。白い死神然り、木村然り、プリンス然り、全体的に壮絶な過去が作られた結果、少しくどい、濃いめの味付けになったなあという印象でした。海外の役者さんで日本を舞台にしている矛盾解消の為に色々変わったのかもしれませんが。でも、ストーリー知らずに観たら、原作準拠するよりも分かりやすいのでしょうか。映画のみでカギとなった(というか回収された伏線的な)蛇とボトル、ボトルはおお!ってなりました。蛇は序盤から意味ありげな登場してたのでワクワクしていましたが、最後、なんかしましたっけ?予想外の展開とアクションに夢中で追いきれませんでした。原作との1番の違いはなんと言ってもラストの共闘だと思います。レモン生きてた!の所で、実はタンジェリンも生きてて全員共闘の流れを期待しましたが、流石にそんなにご都合では無くて残念半分、安心半分でした。作った人絶対檸檬好きでしょう。私も檸檬大好きなので、レディバグとレモン、木村親子の共闘は嬉しい展開でした。タンジェリンが瀕死(?)のレモンと対面した時の回想シーンは、その後のレモンのタンジェリンの死からの立ち直りが早かったのもあり、お涙頂戴感ありました。しっかり泣きましたけど。タンジェリンに対する、お前はトーマスだ、の流れは正直よく分かりませんでした。雰囲気崩れるとは思うけど、トーマスの紹介文読んでもまだ納得できてないので、あれ入れるなら解説欲しかったです。最後のトラックからミカンが落ちるシーン、とても綺麗に締まったなと思いました。が、一方で、レモンが運転してた事は、明かさないで欲しかったなという気持ちもあります。木村の父(長老)が天道虫について語るシーンが一番好きなシーンでした。7つの悲しみを乗せて飛ぶレディバグ、マリアビートル。あと小さな所では、死んだ息子が手を振らされるシーンとか、レディバグが偽ケース開けてしまうシーン、血清をホーネットから奪って打つシーンも、脳内再生が上手くいっていなかったところを、映像で見られた事に感動しました。
楢崎

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