ずどこんちょ

キャプテン・フィリップスのずどこんちょのレビュー・感想・評価

キャプテン・フィリップス(2013年製作の映画)
3.4
ずっとずっとスリルが続いたのは、犯人グループに対する同情の余地を一切挟むことのない展開だったから。フィリップス船長の側にはずーっと「敵」がいたからです。ソマリアという国の貧窮は言葉の端々から捉えられるものの、犯人グループの海賊行為に及んだ背景や家族や友人との繋がりなどにはほとんど焦点は当てられず、フィリップス船長と人間的なやりとりが唯一あったのは、グループのリーダーに当たるムセが船長に対してソマリアに行けば水も飲めるし美味しい食事にもありつけると、わずかな地元愛を見せたことだけ。
海賊に及ぶ彼らの人間的な側面を徹底的に排除し、武器を突きつける彼らの脅威とフィリップス船長の恐怖を描くことで、緊張感が永遠に続きそうでした。

あれだけの異常事態、あれだけの緊迫した中で的確な指示を出して仲間を守り、冷静に犯人グループと交渉し、部下を守って自らが危険を冒すフィリップス船長。偉大です。
上司にしたいハリウッド俳優No.1です。