ずどこんちょ

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーのずどこんちょのレビュー・感想・評価

3.2
劇場公開時ものすごい人気だったので期待していた分、ちょっと期待し過ぎてしまった感じでした。

マリオのゲームはそこそこ知ってますし、音楽もキャラも小ネタも分かることは多かったのですが、個人的には興奮冷めやまぬ…とまではいかなかったです。
これは多分、私の問題なのだろうと思います。マリオのゲームは知っているとはいえ、ゲーム自体がマリオのソフトを中心にやってきた程度のゲームとの付き合い方でしたので、そもそもそこまでゲームとの付き合いが深くありません。
ある程度知っていればあぁ、あのソフトのあのキャラだ、あのシーンだと思う瞬間は幾度となくありました。

ただ、本作の魅力はそんなもんじゃないはずです。世界中から愛されるマリオ好きの多くの人たちから愛された映画なのですから。
調べてみると、やはり気付かなかった小ネタの多いこと、多いこと。マリオテニスのラケットや、マリオカートなどにも出ている白い鳥、キノピオのカートに付いているアシストアンテナなどなど…。
マリオだけでなく、ピクミンやダックハントの絵なども隠されていたようです。

一度見ただけでは気付かなかったけれども、よく目を凝らして見ると分かりそうな小ネタが沢山あるらしい。
つまり、マリオや任天堂のゲームを昔から愛してきた人たちなら、噛めば噛むほど楽しくなってくるようなスルメのような仕組みになっているのです。
これはもう一度正座して見直さなければならないのかもしれません。

ストーリーは極めて子供向けで、マリオとルイージの掛け合いも、敵キャラなのに凶暴になりきれないクッパの愛嬌ある悪役っぷりも含め、完全にファミリーで楽しめる作品となっていました。
ブルックリンでバカにされていたマリオとルイージの兄弟でしたが、二人の絆はとても強く、異世界で離れ離れになってしまったルイージを助けるため、マリオ兄さんはキノコ王国のプリンセスであるピーチに頼んでクッパに立ち向かいに行くのです。
ピーチだけでは敵わないと、ドンキーコングを味方につけ、一同はクッパの元へと向かいます。

一方その頃クッパは、ピーチ姫と結婚するために着々と準備中。クッパは一方的な片想いに燃えており、ピーチを手に入れてキノコ王国も手中に収めようとしているのです。
虎視眈々と戦力を増強するのでもなく、ただひたすらにプロポーズの練習を重ねているクッパを見ていると、どうにも憎めない存在であるように思えてしまいます。
最終的にスターを取ったマリオとルイージにコテンパにやられてしまうのですが、熱烈な愛を語っていたクッパがそんなに悪いやつだったろうかと同情すらしてしまいます。ちょっと強引過ぎたところはありましたけど、改心の余地はあったと思いますよ。

ただ、マリオゲームの絶対的な敵はクッパであり、クッパを倒すことがゲームでも本作でも物語の完結なのだから仕方がありません。『シュガーラッシュ』のクッパの可哀想な姿を思い出しながら、同情を寄せて彼が吹っ飛ばされるのを見守っていました。
続編ではヨッシーが出そうな予兆が描かれていましたが、ワリオやワルイージの参加も期待されますし、次は「マリオパーティ」の要素があっても面白そうだなと思いました。
まだまだ世界観が広がりそうな任天堂の奥深さです。