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泪壺のkazataのレビュー・感想・評価

泪壺(2008年製作の映画)
3.5
最近のイメージだと"社会派感動エンタメ映画"の巨匠感が強い瀬々敬久監督だけど、ピンク映画出身なんだよな…と思い出させてくれるヤツ。

(メジャー映画製作の合間に、今でもちゃんとエロ系作品や気合いの入りまくった自主映画を撮り続けている姿勢こそリスペクト!)


"禁断の愛"にこそ命を懸ける(?)渡辺淳一作品ですが……(原作を大幅に改変したらしいけど)ダメ男のいしだ壱成ではなく、チャーミングな小島可奈子を主役に持ってきたおかげで、意外と楽しく最後まで見ることができたかな。

"泣きそうになると走り出しちゃう"主人公というギャグ的な設定もクライマックスで生きてくるし、「エロ売り映画なのに全然濡れ場ないじゃん」って思うほど1st濡れ場シーンまで時間を費やしたのも、"処女のままオールドミス化した主人公"の心情とマッチしているから巧い。

ラストにかけての"無理矢理でも悲劇にしたい感"と"ゾンビ化したいしだ壱成"に笑ってしまうけども、"壺に始まり壺に終わる恋"みたいにキレイな構成になっていたりするから好感持てました。

(染谷くんは昔から染谷くんでしたね 笑)
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