ヌーヴェルヴァーグの監督たちが本格的に活躍し始めた後の巨匠ルノワールの戦争コメディ
同じくルノワールが手掛けた傑作大いなる幻影と内容は少し似てるが、こちらは伍長のジャン=ピエール・カッセルらが捕虜になり脱走しまた捕まり捕虜になってを繰り返す様を軽いノリと独特のユーモラスなヒューマニズムで描いており、役者陣の軽妙でリアルな演技もあって戦争ものなのに実に楽しく見られた
それにしてもサイレント時代から活動してるのにそこから30年以上経っても同時代のヌーヴェルヴァーグの作品やブリティッシュニューウェーブの作品に引けを取らないくらい瑞々しい作品を作り上げるルノワールの手腕には改めて脱帽させられ、真の巨匠たる彼の大いなる才能に感服至極だ
ちなみにこの翌年にアメリカで同じ脱獄ものの名作大脱走が作られ、こちらも決して嫌いではないが、コンパクトでより洗練されている今作の方が個人的には断然好きな作品だ