鍋レモン

美しい夜、残酷な朝の鍋レモンのレビュー・感想・評価

美しい夜、残酷な朝(2004年製作の映画)
3.4
⚪概要とあらすじ
三池崇史、パク・チャヌク、フルーツ・チャンの3人のアジアを代表する監督の短編オムニバス映画。長谷川京子、イ・ビョンホンなどが出演。『box』『cut』『dumplings』の3本で描く大人のダークファンタジー。

・『cut 』
誰もが羨むような成功を手に入れ、人生を謳歌する映画監督のリュ・ジホ(イ・ビョンホン)。しかし彼の前に一人の男が現れ、リュを破滅させるためにどこかから連れてきた子供とリュの妻ミラン(カン・ヘギョン)を人質にする...。

・『box』
降りしきる雪の中、小説家の鏡子(長谷川京子)は外出から帰途についていた。今でも原稿を手書きし、私生活はまったくベールに包まれた美貌の作家。鏡子が仕事場に戻ると、担当編集者の吉井(渡部篤郎)がいた。吉井は仕事の範疇を超えて、鏡子に少なからず興味があるらしい。だがそんな吉井に鏡子が心を開くことはない。鏡子には人には言えない過去があった...。

・『dumplings』
いつまでも若く、美しく―それは全ての女性の夢。リー夫人(ミリアム・ヨン)は成功した事業家の夫(レオン・カーファイ)と結婚し、引退した身。だが幸せなマダムとしての日々は長くは続かず、夫は若い愛人と逢瀬を重ねていた。キンは衰えていく美貌にふたたび若さを取り戻し、自分の生活を守りぬこうと決意を固める。彼女は財力とコネを駆使し、大陸からやってきた謎の女メイ(バイ・リン)が作る美と若さの特製餃子にたどり着く…。

⚪キャッチコピーとセリフ
“愛されたかった。”

「ごめんなさい」

⚪感想
韓国、日本、台湾の監督の短編オムニバス作品。

『TOKYO!』も短編オムニバス作品だったけど明確な共通テーマはあんまりない気がした。

全体的にラストは謎。分かるんだけど分からない深みにハマる。

私としては台湾の監督の作品が1番面白かった。

それぞれ40分くらい。

以前にもGYAO!で配信されていたんだけどその時はイ・ビョンホンと長谷川京子さんのラブストーリーなのかなと思っていたからびっくり。

ダークファンタジーとはなっているけどただただ不気味なだけな気も。

スコアにするなら韓国3.5、日本2.7、台湾3.9くらい。



⚪以下ネタバレ



⚫韓国のパク・チャヌクによる『cut』

面白くてあっという間に時間が過ぎる。

安定の血がどばどばとエグ味。
残虐の中にコミカルさ。

正直言うと監督が撮っていた作品の方が面白そう。

撮っていた作品と主人公の奥さんの行動が少し似ていた。

それにしてもエキストラから妬まれてこんなことになるなんて怖すぎる。

首を絞めると舌がだらんとしたり白目になったり生々しい。

奥さんを縛る無数の糸。指を接着剤で固定。子供を殺さないと奥さんの指を一本ずつ切る。

イ・ビョンホンの尻文字が観れる貴重な作品。

ラストは良く分からなかった。

⚫日本の三池崇史による『box』

さらによく分からない作品。
小さい頃に見世物小屋みたいな所で姉をちょっとした出来心がきっかけで殺してしまいみたいな。結局夢であり現実で、と。

冒頭ホラー、中間ファンタジー、後半B級。

実は姉は死んでなくて、実は私の半分になってましたって上半身くっ付いた姉と妹出てくるのが映画の作りとして怖すぎる。笑わせたいのか怖がらせたいのか謎。

渡部篤郎さんは二役なんだけどそこもよくわからん。

人形が主人公とイコールみたいになっているシーンは妖艶。

他の二作品は字幕だから平気なんだけどこの作品は日本語だから字幕がないのでなんて言っているか聞き取りずらい。囁き声が多かったし。

⚫香港のフルーツ・チャンによる『dumplings』

人魚の肉を食べたら不老不死になれるよの現代版みたいな作品。

こういう作品やたら好み。

台湾映画だけど韓国映画並みのえぐさとグロさ気持ち悪さ。

名言はあまりされないけど胎児を食べることで若返る。
胎児が何ヶ月かによって効果も変わり、近親相姦ではより効果が高まる。

音が印象的で餃子を食べる度に胎児の肉のコリコリとした音が聞こえてくる。

終わり方が違うらしいロングバージョンもあるらしく観てみたい。

⚪鑑賞
GYAO!で鑑賞。
鍋レモン

鍋レモン