rage30

俺たち喧嘩スケーターのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

俺たち喧嘩スケーター(2011年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

喧嘩だけは異常に強い男がアイスホッケー選手になる話。
いや~、久しぶりに酷い映画を見たな~という感じです。

アイスホッケーの世界は詳しくないのですが、未だに乱闘…というか暴行が許されてる事に呆れちゃいました。
昔の話ならまだしも、2011年にもなって、まだこんな原始時代みたいな事をやってるんだなと。
殴り合いをしたいなら、格闘技でもやればいいのに。

あと、そうした野蛮さも手伝ってか、ロッカールームにおける会話の下劣さも酷くて。
無邪気なマチズモ・ホモソーシャル描写にもクラクラしちゃいましたよ。
ギャグも低レベルな下ネタばかりだし、やたら唾を飛ばしたりと、まぁとにかく、いろんな意味で汚い映画でしたね。


ただ、そんな中でも、異常にピュアな主人公は見ていて面白かったです。
基本的には良い人なんですが、純粋過ぎて狂気性すら感じさせるというか…。
多分、人殺しとか命じられたら、普通にやりかねない…そういうピュアさなんですよね。
常に目をキラキラさせてる感じも、ちょっと怖くて、どこかでヤバい素人を見つけてきたのかと思いきや、普通に俳優さんらしい…。

あとは、アリソン・ピルがヒロインを演じていたのが、ちょっと嬉しかったです。
変人役を演じる事が多い人なんで、彼女の可愛らしさを味わえる作品としては貴重と言えるかもしれません。


居場所がなくて、空っぽだった主人公が居場所を見つける話として見れば、確かに良い話だなと思わなくもないです。
ただ、問題はその居場所が、リンク上で人を殴る仕事という事。

やはり、あ~いった暴力の世界を無批判に描いているところが、引っ掛かりました。
あんな事を続けていれば、深刻な怪我を負う人もいるだろうし、暴力の連鎖がエスカレートするかもしれない。
劇中でも、そうした暴力性の犠牲になった選手も出てきますからね。

そうしたリスクや恐怖、問題や葛藤を描いた上での、「それでもやるんだよ!」だったら、もっと感動したし、深いテーマを描けたのではないでしょうか。
rage30

rage30