rage30

エンドロールのつづきのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

エンドロールのつづき(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

映画に魅了される少年の話。

田舎の映画館が舞台だったり、少年と映写技師との友情が描かれたりと、『ニュー・シネマ・パラダイス』を想起させる本作。
面白いのは、主人公が映画を作る事よりも、映画の上映に興味を抱くところでしょうか。

シャッターを要する映写機の仕組みには「なるほどな~」と思わされましたし、自分達で音声を作り上げるシーンも面白かったですね。
ある種の二次創作的な楽しさがあると言いますか、上映という行為の中にもクリエイティブがあるのだなと感心させられました。

あとは、やたら美味しそうに撮影されていた、母親の料理も印象的。
映写技師が交換条件に出すのにも説得力がありましたし、撮影や編集がちょっとウェス・アンダーソンぽいな~とも思ったり。
欲を言えば、母親が弁当を利用されていた事を知る件があっても良かったかもしれません。

なかなかブッ飛んだエピソードも語られるので、てっきりフィクションなのかと思いきや、監督の幼少期の思い出をベースにしているとの事。
こんなにも『ニュー・シネマ・パラダイス』を地で行く人間がいたとは驚かされるばかり。
主人公が映画を撮る場面こそありませんが、「光と闇を駆使して物語る芸術」という映画の本質を若くして捉えている辺り、主人公(監督)の才能を指し示している様にも思いました。
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