Pnori

サイコメトリー〜残留思念〜のPnoriのレビュー・感想・評価

3.9
面白かった!
喜怒哀楽に富んだ作品で単純に楽しんで観た。

ありきたりな刑事ドラマの設定だし、冒頭から主役二人の出会いまでも割とありがちなストーリーではあるが、コミカルなシーンが満載で、非常にテンポが良く飽きさせない。台詞にもセンスがあり、思わず声に出して笑ってしまった(字幕のセンス?)
柴田理恵似のおばちゃんが面白すぎる。一番笑った(笑)

少々血の気が多すぎる刑事さん。口より先に手が出ちゃう(笑)
そんなだから、性格が正反対のネガティブ青年に事情を聞きたくても当たり前だがなかなか打ち解けられず。そこで殴ったら駄目だよ、と思わずツッコミを入れちゃうくらいデリカシーが無い(笑)

中盤からいよいよ本筋に入っていくのだが、直ぐに手を出してしまう刑事の性格が仇になり、小競り合いのシーンが多く少し進行が冗長に感じた。殴るシーンを減らせば解決しそうだけど(笑)

主要キャストの人物描写もしっかりしていて、刑事の葛藤と青年の葛藤、それぞれの背景が明らかになっていくにつれて物語に自然に引き込まれていく。

後半はコミカルな雰囲気は影を潜め、重厚なシリアスに転じる。そのギャップが凄い。重過ぎるストーリーに息抜きが欲しいのにそれが全く無いのだ。
そのストレスで息苦しく感じ、切迫感を助長する。クライマックスからラストまで一気に加速し、収束した時の安堵感と言ったら…(笑)

とは言え、事件の概要は目新しくも無く残虐性も想像の範疇を超えていない。かなり都合よく進んでいくし予想も裏切らない。
だけど二人が背負っている悲劇のトラウマを描ききる事でマンネリ感は解消されていると思った。
ただ、斬新でエキセントリックな展開を期待していると、ちょっと肩透かしを喰らうかも。

久しぶりに続編が観てみたいと思った。成長した刑事と大人になった青年の再会。
どっちも変わってない気もするけど(笑)
Pnori

Pnori