浪川リオン

スーサイド・ショップの浪川リオンのネタバレレビュー・内容・結末

スーサイド・ショップ(2012年製作の映画)
1.8

このレビューはネタバレを含みます

キャラクターデザインや色彩は好きだが、物語が終わっても特に何も解決していないように思えてしまう。

映画の冒頭では街中の人が次々と自ら命を絶ち、新聞の見出しにも『お先真っ暗!』と書かれる始末。映画では特に描写されないが、そこまでの状況を作った事には悪政、失業率の高さ、不況等の何か根源的な理由があるはずだ。

そういった物への打開策は特に用いず「恋して美味しもの食べりゃみんなハッピー!」と言われてもバカにされているように感じてしまう。

主人公の"イタズラ"を、市長や大金持ち等の有権力者を含む、もっと広範囲の人々に働きかけるようなスケールの物として描くわけにはいかなかったのだろうか。
恋したりクレープを食べに行くくらいの余裕がある人なら心の持ちようで人生は変わるかもしれないが、そうでない人達は違う通りでまた別の『スーサイド・ショップ』を見つけ出してしまうのではないだろうか。何しろ新聞の見出しになるくらいには"お先真っ暗"なのだから。

「身の回りの小銭で何とかできるレベルの幸福で我慢しろ!」という皮肉なのかもしれないが。