むやみと酒が飲めることも、モテることも、ピンポンダッシュも、友人たちの喝采がなかったらなんの意味もなかったと、人生でただそれだけを思い知らされた主人公が、こんどこそ12軒のパブ巡りを完走しようと故郷の町に帰還するのだけれど、
【以下、ネタバレにつながっていく】
冒頭でサイモンペッグの主人公は入院治療中でAA的な集まりに参加していることが示され、その彼が「飲む」というのは、アル中としての破滅を受け入れ、人生このへんで終わらせてもいいやと思ったということで、ところで脱落する二人は前回と順番まで同じだと気づいたのだけれど、もし主人公の望みが、もういちど「あの時のように」あの丘から町を見下ろすことだったとしたら……だとしたらだよ。
あの後半のぶっとんだ展開は、全部、主人公の妄想と願望だったんじゃないか。
あのときの女の子と再会することも、もういちどニックフロストの大暴れを見ることも、いつか聞いたかっこいい演説をぶちかますことも、親友に伝説として語り継いでもらうことも、人生最後の彼の望みだったんじゃないか。そしていきなり病院のベッドで目を覚ます主人公‥‥という夢オチの選択肢もあったと思うんだけど、そしたらみなさん、非難囂々でしたか？
