ひこくろ

くじらのまちのひこくろのレビュー・感想・評価

くじらのまち(2012年製作の映画)
3.1
そこはかとなく漂ってくるエロさとか、味のある8ミリらしい映像とか、あちこちに良さはあるんだけど、役者がすべてを台無しにしてしまっている。
朝彦役の片野翠はまだ見られるが、まち役の飛田桃子と、ほたる役の山口佐紀子は、ほとんど素人同然。
演じてますって演技と、台本読んでますって台詞回しで、内容が全然入ってこない。
ただ、この二人は助監督を務めている竹内里紗が2年後に撮った「みちていく」では、とても魅力的な演技を見せているので、もしかすると演技に対する演出がよくないのかもしれない。

カット割りや構図はそつがなく、勢いはあまり感じないものの、相当に勉強したんだろうなあというのは伝わってくる。
行方不明の兄の存在で引っ張っていく物語も悪くないし、こじれていく微妙な三角関係も面白い。
この人かプロの役者を迎えたら、どういうものになるんだろうか、という興味は湧いた。
ただ、やっぱり演技はいただけない。
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