ひこくろ

この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説のひこくろのレビュー・感想・評価

3.4
完全にファン向けに全力疾走した映画だなあ、という印象を受けた。

キャラクターやそれまでの説明は一切なく、ただただ「いつもの」やり取りが繰り広げられる。
元々の話は複雑なわけではないし、キャラクターの性格も見ていればなんとなくわかってくるので、初見でも問題がないと言えばないんだけど、それでもやっぱりこれはファン向けだよな、という気はしてしまう。

各キャラが特長全開で話す様子は楽しいし、ノリノリだし、ギャグも面白い。
元のシリーズで、このノリが好きだった人には、たまらないだろう。
単純に面白いことは、相当に面白い。

ただ、映画でやる意味はあったのかはとても疑問だ。
後半、かなり規模の大きな話にはなるが、それもテレビでやってもいいレベルのものだと思う。
作品ならではの魅力は存分に詰まっていても、映画ならではの魅力はほとんどない。
映画でやる、ということ自体が、もうすでにファン向けのサービスにしか思えない。

僕はテレビシリーズを見ていたし、作品としても好きだけど、これはテレビでやってほしかったと強く思った。
少なくとも映画館で観たい、と思うような作品ではない。
それはつまり、僕が「ファン」ではないってことなんだろう。

繰り返すが、つまらないわけでは決してない。むしろ面白い。
ファンにとっては最高のアニメ映画だとは思う。
ひこくろ

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