重たい映画ですね。終始引き込まれて見ました。描かれるのは3つのストーリ。個人情報をネットから盗まれ全財産を失った夫婦の復讐劇、ネット上の遣り取りで息子が自殺してしまった父親の復讐劇、ネットを通した未成年売春の斡旋所から取材相手を救おうと四苦八苦する女性リポーターによる救出劇。３つのお話は2人の父親でお互いに繋がってます。どのお話も丁寧に描かれているので感情移入できます。脚本が上手いね。３つとも悲劇的結末に流れ込みそうな勢いでしたが、間一髪のところで救われるエンディングでした。ただね、自殺を図った少年だけは意識を取り戻しません。なので、重たいままです。夫婦間の会話の不在、父親と息子の会話の不在、世代や境遇が違う者同士の間の価値観の違い。これらがもたらした軋轢をネットという現代のツールを使って描いた作品です。女性リポータ役のひとどこかで見たなあと思ったらオブリビオンに出てたひとですね。
