Omizu

ラストエンペラーのOmizuのレビュー・感想・評価

ラストエンペラー(1987年製作の映画)
5.0
【第60回アカデミー賞 作品賞】
これはもう史上初めて劇映画で貸し切って撮影された紫禁城が主役と言っても過言ではない!紫禁城の美術や豪華な衣装や装身具、膨大なエキストラはもはや今ではできないだろう。最後のハリウッド超大作映画の輝き!観ているだけでうっとりしてしまう。

溥儀の数奇な人生を丁寧に、というよりは時代を前後させながら語っていくのだけど、キーとなるセリフや同じ動作で繋ぐなど脚本演出がとても上手い。

また清朝中国についてもよく知ることができた。宦官が自分のナニを保管してるとは知らなかった。溥儀が知的でイケメンなのだが、彼が語ることが全て真実とは限らないところがいい。彼を被害者でもあり、皇帝という幻想に取り憑かれた加害者でもあるという描き方がとても誠実。

坂本龍一はほぼセリフはないけどやっぱり顔がいい。ピーター・オトゥールはちょっと影が薄かったな。大事な役ではあるけど。

溥儀と二人の妃のベッドシーンしかり、初めて皇后の顔を見るシーンしかり「見せない」ことでかえってエロティックになるのがよかった。

好きなシーンあげてくときりがないくらい全てが好き。作品賞も納得の名作!
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