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劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語のnakakuranのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

前半の魔女化したほむらの夢パートで満たされた。仲間の誰も欠けることなく力を合わせて敵と戦い勝利する世界。ちょっとメルヘン過ぎだったけど。
幸せそうなマミさんに三つ編みメガネほむら。よかった。

あとは救済のあり方の話だったように思う。

魔法少女になったまどかは魔法少女を否定しなかった。大切な家族や友人を守り、絶望の果てに魔女となった魔法少女たちを救う手段はそれだけであったから。まどかにとって魔法少女になり力を使うことはただひとつの選択肢だった。

絶望の果てに終わりを迎えた魔法少女を魔女化する直前にすくい上げる円環の理。これがどんなに幸福な救済だったとしても、あくまで全て終わってしまったあとの救いだ。
魔法少女になりさえしなければあったはずの日常、それを取り戻すことはできない。失われたものが元に戻ることはない。そこに救いはなく、まどか自身も例外ではない。

ほむらはまどかを諦めなかった。
絶対にQBを許さなかったし、QBがもたらした魔法少女による救済を受け入れることもない。ほむらは魔法少女を否定しなければならなかった。

それでも、ほむらが魔女化して作り出したのが前半パートの世界だったかと思うと、何とも言いようがない。

結局のところ、魔女化したほむらの力でもまどかの力を覆すことはできなかった。
いくらかの力を奪いまどかの半身と救われた魔法少女たちを日常に引き戻すことがせいぜいで、円環の理は依然存在している。
薄氷の上の日常ではあることを知りつつも、ほむらはまどかに鹿目まどかのままでいるようにささやき続ける悪魔になった。
道半ば、繰り返すような終わりになってしまったけど、いい映画だったと思う。
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