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もらとりあむタマ子のdm28ktのレビュー・感想・評価

もらとりあむタマ子(2013年製作の映画)
3.5



所々に散見する良ショットに緩いシークエンスでの引き締まりを画面で語る。冬、正月の目覚めからの長回し。夏、自転車に乗りながらの背中。タイトルバックの物音とストップモーションは中々。ドラマの動き始めるサスペンスもくどくなく(その手前はくどいのだが)、終始様々な態度の場面で笑わせてくれる。
不機嫌でいること、声色と表情がシンクロすること。
緩さの中に設定からの細やかな配置がされてて、しかもそれを割と簡潔に画面に配置し直すことができていたように想う。

ただそれが前提なのだとしたら、本の強さは問題になる。
最初から最後まで、らしいアイロニカルな説明を彼女の声色を持ってして伝えてくるけど、もはやそこに素直な彼女の感情が見えてしまうから、ピントの合わない画面は、ピントが合っているようなものだと思う。
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